人材採用時に必要な「大切なもの」を考える
「よい人材がほしい」「優秀な人を採用したい」というニーズは、どんな企業でも持っているものです。それは、正社員でも派遣社員でも同じことです。
では、貴社にとっての「良い人材」というのは、どういう人、どういうスキルを持っている人か、正確に定義されているでしょうか?
言葉の定義が曖昧な状態だと、得られる結果も曖昧なものになり、「良い人材」を採用することは不可能です。
そこで今回は、人材採用にあたって、採用側が抑えておきたいポイントをご説明いたします。
- コミュニケーション能力とは?
- コミュニケーションスキルとは?
- 派遣スタッフと正社員
- 貿易事務スタッフに求めるもの
- 潜むリスク
- リスクを回避し、バランスよく採用を進めるために
- まとめ
■ コミュニケーション能力とは?
「コミュニケーションが大切だ」というのは、どんな分野のどんな業種でも言われることです。
では、コミュニケーション能力というのは、具体的にどんなものを指すのでしょうか?
たとえば、Wikipedia では、以下のように定義されています。
コミュニケーション能力(コミュニケーションのうりょく、communication ability)とは、一般的に「他者とコミュニケーションを上手に図ることができる能力」を意味する。
これに対してコミュニケーションスキル(communication skill)とは、人と人の間でコミュニケーションをとる方法・手法・テクニックを理論付けし、検証を行い技術または知識としてまとめたもの。コミュニケーション能力とコミュニケーションスキルを同義に扱う企業も多い。
つまり、コミュニケーションとは、自分と自分以外(つまり他者)との意思疎通をスムースに行うことであり、それによってものごとをスムースに遂行することが目的だと言えます。
では、さらに具体的に「コミュニケーションをとる」ということはどういうことでしょうか。
これは、以下の4つに集約されるといえます。
- 話す
- 聞く(聴く=傾聴)
- 読む(「空気を読む」なども含む)
- 書く
これらの行為すべてがコミュニケーションに根ざしたものであり、これらをバランスよく能力として保持していることがコミュニケーション能力が高いということなのかもしれません。
■コミュニケーションスキルとは?
上記の Wikipediaにもあったように、コミュニケーションスキルという表現もあります。
コミュニケーションスキルとは何でしょうか?
シンプルに日本語に訳せばやはり「能力」といえるでしょう。
「コミュニケーション能力=コミュニケーションスキル」とすれば、他者と意思疎通を行うための力というのは、技術的な側面もありそうです。それは上記にあげた4つの力(話す、聞く、読む、書く)を指すのではないでしょうか。
このコラムでは、コミュニケーション能力もコミュニケーションスキルも同義として取り扱いたいと思います。
つまり、スキルという大きなカテゴリの中のひとつとして、コミュニケーションが存在するというイメージです。
また、スキルのうち、専門知識や専門技術もスキルと呼べるのではないでしょうか。またこれらは経験の蓄積でもあるので、経験そのものもスキル化していると言えます。
■派遣スタッフと正社員
では、これらを踏まえて人材採用ということを考えたとき、契約や雇用形態によって求めるものが変わるのか、それとも変わらないのか考えてみたいと思います。
- 派遣スタッフの場合
貿易事務という「職種」が求めているものは、コミュニケーション能力もさることながら、やはりその「専門知識」だと言えます。
それがなければ、意思疎通ができないケースもあるからです。(専門用語の意味を理解していなければ、伝えるものも伝えられません)
また派遣先企業も、「時給=能力給=専門知識」と考えているため、支払った分のパフォーマンスや結果を出せなければ、どんなに「良い人」であっても、マッチしないという結果になります。当然といえば当然のことです。
- 正社員の場合
では一方で、正社員の場合はどうでしょうか。
正社員の場合は、新卒で採用するケースもあるため、必ずしも専門性がなくても OK という場合があります。企業が育てる時間を考慮しているためです。ただし、経年により、当然ながら専門性や経験を踏まえた結果を求められるようになります。
つまり、派遣スタッフとの違いは、企業側がもつ「時間の概念」と言えます。
■貿易事務スタッフに求めるもの
このように、正社員と派遣スタッフの違いは企業側の考える「時間の概念」に根本原因があると言えます。
貿易事務という職種の場合にも、その傾向は当然色濃く反映されます。専門性が高い職種であればあるほど、コミュニケーション能力よりも専門性が重視される傾向にあるのは否定できません。
■潜むリスク
ただし、専門知識だけがとにかく高ければいいというわけでもありません。バランスはとても大切です。
専門性が高ければ業務を完全に問題なくこなせるかと言えば、そんなことはありません。なぜなら、貿易に関しては必ず相手がある仕事だからです。
相手に対して表現して伝えること=コミュニケーションをとらなくてはならないからです。
ここが抜けてしまったり、また、軽視してしまうと、周囲とうまくいかなかったりしてせっかくの専門性が生かせずに退職するということもありえます。
■リスクを回避し、バランスよく採用を進めるために
自社が求める「良い人材」に長く働いてもらうためには、大切なポイントがあります。
- 人はみな異なる価値観を持っていることを理解する
企業側の「良い人材」の定義が異なるように、スタッフの価値観や目的も違います。特に派遣スタッフの場合には、「ひとつの企業に縛られたくない」といったものや「プライベートの時間を充実したい」といった考え方もあります。
まずは価値観が多様化しているのだということを理解し受け入れる必要があります。
- その上で、企業は欲しい人材の明確な定義を行う
これも当然のことですが、「自社にとってのいい人材とは」をしっかりと設定しなければなりません。派遣契約の場合には、派遣会社がヒアリングし、求める人物像を具体的にしてくれますが、正社員の場合には、自社で考える必要があります。
業務の内容や緊急度なども検討し、「今回は派遣会社に相談」「今回は長期的視点から採用活動をする」といった動きが必要になります。
そのいずれにも必要なのが「スキル」であり「コミュニケーション」や「専門知識、技術」だと言えます。
■まとめ
いかがでしょうか。当たり前の話ですが、仕事のみならずコミュニケーションがとれないからといってそれが必ずしもいけないということではありません。
ただし、ビジネスにおいては企業(チームやプロジェクト単位)や、社会での労働が前提にあるため、採用活動を明確にした上で進めて行くことが重要です。これはあまりにも当たり前過ぎて、ないがしろにされてしまうこともあります。
技術や知識が非常に高くても、企業の文化や体質、カラーといったものとの相性だったり、環境だったり、配属先の人間関係で、仕事を続けられないということは日常的に起きています。
これだけ採用システムが発達し、適性検査なども充実しているにも関わらず、ミスマッチが起きています。また無理に働ければうつ病などの病気になってしまったり、心の病を引き起こしかねません。それは企業にとってもとても大きなリスクや脅威になります。
だからこそ、真剣にコミュニケーションをとることがより重要になり、「読む、書く、聴く、話す」を中心に、非言語部分も注視していくことが求められるようになります。
「飛躍する人材」- それは、実は優先順位が違うだけで、派遣スタッフでも正社員でも同じことが言えるのではないでしょうか。
- 自社にとっての良い人材とは何か
- スタッフ側に求めるものは何か(派遣ならスキル重視、正社員ならコミュニケーション重視など優先順位を決める)
- 長期にわたって進めることで企業によって重要な戦力(飛躍する人材)となる
弊社では、貴社にとって「飛躍する人材」としての貿易事務派遣スタッフとのマッチングを目指し、日々努力しております。
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